住宅ローン控除を最大にする方法

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令和4年度税制改正により、このコンテンツの情報は変わる可能性があるのでご注意ください。

 

今回は、住宅ローン控除の効果についての話です。
耐震基準適合証明書の代表的な使用目的として、住宅ローン減税(住宅ローン控除)を受けることが挙げられます。住宅ローン控除の適用による減税効果は、各種の条件により複雑に変動します。数字や言語での言語的情報だけでは理解し難いところがありますので、グラフ等の図により視覚的な解説を掲載します。
考慮する条件は、単独返済と収入合算返済(ペアローン・連帯債務)、元金均等返済と元利金等返済、個人売主と不動産業者売主による控除額の違い、所得等による減税額の違い、および個人住民税での控除等です。

中古住宅の住宅ローン減税

中古物件の住宅ローン減税の概要

減税できる税金 所得税
(一部個人住民税)
物件の床面積 50平米以上
(マンションは専有部分)
物件の要件 経過年数基準に適合するもの又は
耐震基準適合証明されたもの
適用居住年 令和7年12月まで
控除期間 10年間
控除額 住宅ローン等の年末残高
× 控除率
控除率 1.00%
控除の限度 あり

○個人住民税については、前年分の所得税において控除しきれなかった金額がある場合に、翌年度の個人住民税で控除できます。

中古物件の住宅ローン控除の限度

売主が個人の場合 売主が不動産業者等
の場合
住宅ローン等の
年末残高の限度額
2,000万円 4,000万円
各年の控除限度額 20万円 40万円
最大控除額 200万円 400万円

○中古住宅の売買はほとんどが個人間の取引であり、その場合は物件の売買に消費税は課税されません。しかし、売主が不動産業者等の場合は消費税が課税されます。このため、消費税が8%に引き上げられた際になされた負担軽減措置として、消費税が課税される物件に対しては、住宅ローン減税の最大控除額等が大きくなっています。

所得税の控除額における効果

一般(単独返済・個人売主)の場合の効果

○住宅ローン(借入金)等の年末残高が2,000万円以下のとき、年末残高の1%が控除額となります。

○住宅ローン等の年末残高が2,000万円を超えるときは、その年の控除額は限度額である20万円となります。

○10年間にわたり住宅ローン等の年末残高が2,000万円を超えるとき、トータルの控除額が最大の200万円となります。

○返済期間が短い場合は住宅ローン残高の減少が早くなるため、残高が2,000万円以下になるとその年の控除額が減少し、その場合はトータルの控除額が減少します。

○控除期間の10年間の途中で繰り上げ返済を行ったときも住宅ローン残高の減少が早くなるため、残高が2,000万円以下になるとその年の控除額が減少し、その場合はトータルの控除額が減少します。

○住宅ローンの返済方法が元金均等方式の場合は、住宅ローンの残高が均等に減少していくのに対して、元利均等方式では、返済当初の残高の減り方が小さくなります。このため同じ借入額でも、元利均等方式の方がトータルの控除額が大きくなる場合があります。

●元利均等方式の方がトータルの控除額が大きくなったとしても、トータルの支払い金利も大きくなるため、損得については一概に判断は出来ません。

収入合算で住宅ローンを返済する場合の効果

○夫婦共働きで収入合算して住宅ローンを返済する場合、連帯債務およびペアローンでは、夫婦それぞれが住宅ローン減税を受けることが可能です(連帯保証は不可)。

○単独返済した場合の住宅ローン残高の合計が2,000万円を超えるときは、控除限度額の超過分が生じてしまいます。このとき収入合算により夫婦それぞれで住宅ローンを返済すると、超過分の一部(又は全部)が控除額となるので、単独返済の場合よりも夫婦合計の控除額が大きくなります。

●単独返済した場合の住宅ローン残高の合計が2,000万円以下のときは、控除限度額の超過分がないため、収入合算により夫婦それぞれで住宅ローンを返済しても、夫婦合計の控除額が単独返済の場合と同じになります。

売主が不動産業者等の場合の効果

○売主が個人の場合は、住宅ローン残高が2,000万円を超えると、控除限度額の超過分が生じてしまいます。しかし売主が不動産業者等の場合は、残高が4,000万円までは控除限度額の超過分が生じません。この場合、売主が不動産業者等の場合の方が、控除額が大きくなります。

●売主が不動産業者等の場合の方が控除額が大きくなったとしても、このときの売買には消費税が課税されることになるため、損得については一概に判断は出来ません。

●住宅ローン残高が2,000万円以下の場合は、売主が個人の場合でも控除限度額の超過分が生じないので、控除額は、売主が不動産業者等の場合と同じになります。

減税額における効果

所得等が小さい場合の効果

○所得等が大きい場合は、住宅ローン減税適用前の税額から住宅ローン控除額をすべて引ききることが出来るので、住宅ローン控除額がそのまま減税額となります。

●所得等が小さい場合は、住宅ローン減税適用前の税額から住宅ローン控除額をすべて引ききることが出来なくなるので、減税額は、住宅ローン控除額より小さくなります。

○所得等が控除期間の10年間の途中で下がった場合に、住宅ローン減税適用前の税額から住宅ローン控除額をすべて引ききることが出来なくなることがあり、この場合も減税額は、住宅ローン控除額より小さくなります。

○居住用財産の買換え等による譲渡損失の損益通算等により、返済当初において生じることがあります。

●収入合算により返済を行っているときに、控除期間の10年間の途中での配偶者の出産により所得等が下がった場合にも生じることがあります。

個人住民税における効果

○平成19年に国税から地方税への税源移譲が行われた際に、所得税(国税)にて住宅ローン控除額をすべて引ききることが出来なかったときに、個人住民税(地方税)からも引くことが出来るようになりました。

○税源移譲により所得税額が減少したために、所得等が減少した場合と同様に住宅ローン控除額を引ききれずに減税額が小さくなるケースが生じたので、これを補うために設けられたものです。

●税源移譲以前においても引ききれなかった住宅ローン控除に相当するものについては、税源移譲後も住民税から引くことは出来ないよう、限度額が設けられています。

 

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