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令和4年度税制改正が国会にて成立すれば、『登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋』については、『住宅の取得等をして令和4年1月1日以後に居住の用に供した場合』の住宅ローン控除等は、耐震基準適合証明書がなくとも適用となります。以下の記事の内容は、これにより変わる可能性があるのでご注意ください。
引き渡し前の火災保険に気を取られると税金が…
中古住宅の売買において、物件の引き渡しは契約履行の期限であり、特に売主の方にとっては様々な準備を間に合わさなければならい恐ろしい締め切りだと言えます。引っ越しはもちろん、残ったものを処分して、さらにあらゆる手続きを終わらすようにと迫って来る恐怖の締め切りです。
一方の買主の方にとっての引き渡しは、待望のマイホームが手に入る最高に楽しみな日です。引き渡しが来ればすぐにリフォーム工事に入ろうとワクワクしながら準備を進める人は珍しくありません。
しかし、待ち遠しさに浮かれて油断をすると、あとで大きな後悔やトラブルに嵌まり込むことがあります。その代表例が火災保険への加入を忘れることです。
家屋の引き渡しを受けて所有権を得た瞬間から、火災等のリスクを背負うことになります。したがって引き渡しを受けるまでに火災保険に加入して、いざという時に備えねばなりません。保険に加入するのを忘れたまま、家が火事になったりすると悔やみきれない事態になってしまいます。
火災保険の加入を忘れるのは、住宅ローンを使わないとき、いわゆるキャッシュで購入する場合です。住宅ローンを利用する場合は金融機関が火災保険の加入を義務付けるので忘れることはまずないのですが、現金購入の場合は保険未加入であってもそのまま引き渡しを受けることが出来てしまうので盲点となる訳です。
住宅購入においては住宅ローン利用が多数派のため、キャッシュ購入のような少数派の人には意外な罠が待っています。しかし火災保険は家屋を取得したほとんどの人がやらねばならないものなので、まだ忘れにくいほうです。
何事であっても、全員ではなく一部の人のみに必要になるものは、高確率で忘れがちになります。忘れるだけでなく、そもそも知らなかったということも多くなります。しかも先ほどの話と違って、住宅ローン利用者が陥りがちな罠が存在するのです。それは一定の築年数を経過した家屋を取得した時の税金対策です。
住宅ローン控除も引き渡しがタイムリミット
住宅を取得した時には様々な税の優遇措置があります。代表的なものは、住宅ローン控除で最大200万円の減税がなされます。しかしこれが適用されるのは原則として、新築後20年以内に取得した場合です(鉄筋コンクリート造のマンションなどは25年以内)。取得の日がこの経過年数を超えてしまう家屋では、耐震基準適合証明書等がなければ住宅減税は受けられなくなってしまいます。
取得の日とは、通常所有権が移転する引き渡しの日となります。しかも、耐震基準適合証明書等はこの取得の日までに用意しなければ、住宅ローン控除等の減税は適用されません。引き渡しの日が恐ろしい締め切りになっているのです。これがよく見過ごされます。
耐震基準適合証明書の場合、建築士が家屋を調査して、耐震基準に適合していることを確認してはじめて証明書が交付されます。引き渡し前に家屋の調査をするためには、売主の方の協力が必要です。しかも制度の特性から耐震基準適合証明書の交付申請も売主の方にしてもらわねばなりません。これを引き渡し前で大忙しの売主の方にやってもらうので時間の調整がなかなか取れません。
もし物件が共有であれば、売主が複数なので意思決定にも時間がかかります。また共有の場合は耐震基準適合証明書の扱いについて税務署等への確認も必要になります。
またマンションでは、建物の共用部分の調査も必要となります。調査対象には管理組合が保管している設計図書等も含まれるので、管理人さん等との時間の調整が必要です。またマンションによっては、設計図書等を閲覧するには管理組合理事長さんの承認を待たねばならないこともあり、想像以上に時間がかかることがあります。
耐震基準適合証明書が引き渡しに間に合わなかったら、住宅ローン控除は受けられません。住宅ローンを使わないキャッシュ購入の人にとっても、登記時の登録免許税の減税がなくなってしまいます(物件によっては意外と高額なので司法書士さんに要確認です)。
こんな事態になったときに、じゃあ決済は予定通りに行って引き渡しだけを先に延ばしましょうという提案が必ず出てくるのですが、ほとんどの場合このアイデアはNGです。
減税を受けるためには、取得の日までに耐震基準適合証明書を用意するのが条件なのですが、この取得の日は所有権が移転する日であり、通常は決済を行う日に所有権移転もなされるため、引き渡しだけを先に延ばしても確定申告等で税務署に認めてもらえなくなります。
もちろん決済と同時に登記も行うので、引き渡しだけの延期では、登録免許税の減税が間に合わないのは言うまでもありません。住宅ローンを使わないキャッシュ購入の人にとっても、耐震基準適合証明書の締め切りは他人事ではないのです。
締め切りに間に合わなかったために住宅ローン控除等の減税を受けられないということがないように、耐震基準適合証明書の準備は出来る限り早く取り組むようにしましょう。
(注)入居日その他の条件もクリアする必要がありますのでご注意ください。
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令和4年度税制改正で上記とは逆の事態が生じる可能性も出てきました。
【最新情報!】 令和4年度税制改正が国会にて成立すれば、『登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋』については、『住宅の取得等をして令和4年1月1日以後に居住の用に供した場合』の住宅ローン控除等は、耐震基準適合証明書がなく[…]
証明書が取得できるかどうかの調査を契約等に先行して行うことは売主と買主の双方にとって大きなメリットとなります。先行調査に最適な適合証明調査業務については下記のページをご覧ください。
耐震基準適合証明書は、中古住宅で一定年数以上経過した物件にて、住宅ローン控除等の住宅減税を受けるために必要となるものです。しかし調査の結果次第では発行できないことがあるなどのため、その不確実性(ギャンブル性)が売主や買主のいずれにとっても円[…]